皇居周辺散策・北桔門近くの「休憩所」

　今日は、失敗作中の失敗作。昨日の絵をご覧になった方は、その違いに驚かれることでしょう。では、なぜ、そのような失敗作を掲載するのか。描く側の、つまり私を知っていただきたい、というメッセージとお受け取りいただければありがたいと思います。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　4号

　この絵には、ほぼ中央に笛を吹く女神像(これは私が勝手につけた名前です)があり、周りは、紅葉の盛り、そして、人が憩い、集っている。これは良いと、構図を決めて、輪郭を鉛筆で描き、下書きまでは、順調に思えました。しかし、色をのせるごとに、モチーフである女神像が圧縮されて行きます。周囲の鮮やかな紅葉、木々の緑が呼応しあって像が浮かび上がって来ないのです。実物の女神像は、多分、ブロンズ製で、やや黄ばんできていました。このままの色では、ますます画面中央で沈み込んでしまう。焦りました。像を白く浮き立たせ、周りを色濃くしようと塗り重ねました。いわゆる悪あがきです。何とか取り繕うとすればするほど、絵は弱って行きました。

　反省は、ボリュームのないもの(女神像)を中心に持ってきたことにより、人々、紅葉、緑の木々、が散漫となり、「何を描きたかったの?」という結果となってしまったこと。当初の計画が定まらないままに描き始めたこと、等など。緑と赤、青とオレンジ、黄色と紫、それぞれ反対色が勝手に主張し合っている。惨めな結果となりました。　わが身の未熟さを思い知った、というところです。

 

　　<　お目休め　>　　　京都・東寺でのスケッチ

 

〔追加記事〕

　今朝、心ある会員の方からメールを頂戴しました。「あなたの絵には感動がない」、とのご指摘でした。私は、中学生の時、絵の先生から同様のことを言われたことがあり、かなりの衝撃を受けました。「感動がなければ、土産物屋の絵と同じだ。」と会員の方は言っておられます。そのご意見に、私自身は異論を持つものではありません。

　ただ、今言えることは、自分の描いた絵が、少しでも、見た方々の心に響いていただければと願っておりました。そんな気持ちが、知らず知らず、所謂、「受け狙い」となったのかもしれません。

　現実は、プロ級の画家から見れば、そのような評価になる。私が、20年間、描き続けてきたものは一体なんだったのだろうと、今日はそればかり考えています。ただの受け狙い？　それでは、あまりにも寂しい。趣味にせよ心、体を集中して描いていて、その評価は、私にとって、大げさに言えば、「死刑宣告」に等しく感じました。

　もちろん、その会員の方は、私にエールを贈るつもりでおっしゃったことでしょう。また、そのように感じ取りたい。今後は、ありがたい忠告として受け止めて、更なる精進を心がけて行きます。

　そのような出来事があり、明日予定しておりました「東京の秋」のシリーズは、今日で一旦終了いたします。長い間、お付き合いいただき、ありがとうございました。

 

　我が家の近所の風景　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　4号

　　このような「感動のない絵」を描く者ではありますが、今後とも、よろしくお付き合い願えれば、この上ない喜びです。 

　「nice」　よりもコメント、ご意見を賜れば幸いです。

　明日からは、原点に立ち返り、「年賀状でたどる私の絵の経歴」を始める予定です。

 

 

 

 

 

 

コメント 22

おはようございます。
失敗作といわれても、まったくわかりませんでした。
たぶん、こう書きたいと思ったものとは、
多少違ったのでしょうけれど、
秋の公園ののんびりした感じが奇麗だと思いました。
by manamana (2007-12-09 07:03) 

おはよう御座います。
失敗作ですか・・んんと、失敗作の定義は、作者の気持ちですね。
私は、絵心全くなくて・・コメント自体が恥ずかしいのですが・・・・・
何処が失敗作か良く理解できません・・昨日の絵も見直しました。
ごめんなさい・・何処が失敗かまるで理解出来ないです。
上手く描写為さってると思います・・
２枚目・・・・素敵ですねぇ・・素晴らしい描写ですね。
今朝も、素敵な絵・・拝見出来ました・・・
有り難う御座いました。
by チャッピィー (2007-12-09 07:36) 

おはようございます
私もこれが失敗作とは思えませんが・・・・
ただ失敗と思われたのは自分が意図して頭の中に出来上がった作品との差が感じられたからでは有りませんか？
手前の地面と芝生部分は水彩であることが判りますが　後ろの表現（紅葉）などはあたかも油調ですね　で、これはこれで良き作品と思えますが　空気の香りが漂っているようですよ
by トータン (2007-12-09 07:41) 

女神像は意図とは違うものになってしまったようですが、ベンチで休む人や、右のほうへ移動していく一団の人たち、一人一人に表情があってとても素敵です。
by satoshi_ (2007-12-09 08:25) 

絵も写真も共通点があるのですね、何を狙ってシャッターを押すか。
私の写真も意識はしているのですが出来上がったものは何を狙ったのかあいまいな写真が多く反省ばかりしています。
しかし反省点があるということは、次回の作品に生かそうとするからであって自己満足かもしれませんが次ぎへの意欲に繋がっています。
by enosan (2007-12-09 10:51) 

manamana　さん
嬉しくなるコメントをいただき、ありがとうございました。
by よしあき・ギャラリー (2007-12-09 10:54) 

チャッピィー　さん
おはようございます。
nice ＆　コメント　ありがとうございます。
確かに、今日は、独りよがりの記事になってしまいました。ご覧いただいて困惑されるお気持ち、ありがたく思います。いつも、優しいお気持ちで接していただき、感謝しております。
今朝、あるお方から衝撃を受ける檄メールをいただいて、心が動揺しているのかもしれません。
by よしあき・ギャラリー (2007-12-09 11:04) 

トータン　さん
nice ＆　コメント　ありがとうございます。
慰めていただいて、ウルウルしています。
紅葉部分は、おっしゃるとおり、絵の具を殆ど生で塗りつけています。
今朝、ショッキングなことがあり、そのまま引きずって記事を作成した影響も出ているかもしれません。しばらく、尾を引きそうです。
ありがとうございました。
by よしあき・ギャラリー (2007-12-09 11:11) 

satoshi さん
おはようございます。
nice ＆　心温まるコメントをいただき、ありがとうございます。
by よしあき・ギャラリー (2007-12-09 11:13) 

enosan
おはようございます。
nice ＆　励ましのコメントをいただき、ありがとうございます。
次回の糧と、前向きにとらえることといたしましょう。
by よしあき・ギャラリー (2007-12-09 11:18) 

S・N・O　さん
ご来訪いただき、nice、ありがとうございます。
by よしあき・ギャラリー (2007-12-09 12:57) 

青の風画　さん
ご来訪いただき、nice、ありがとうございます。
by よしあき・ギャラリー (2007-12-09 13:17) 

よしあき様こんにちは。
女神像の水彩画は、私の素人の目には色鮮やかに描かれていて私自身好きな出来具合かな～と思います。
よしあき様が失敗作だと言われるので10分ほど眺めて考えてました。
主役が女神像と聞けば、今にも女神像が動き出しそうに見える描き方は良い感じだし、絵画をしない私が生意気にもよしあき様の作品に辛口評価をすることは出来ないと思います。
私の写真撮影の心構えの１つとして主役と脇役を考えて撮影するようにしてます。しかし、主役と脇役が逆になってしまうことはよくあります。
絵画は、私の様にシャッターを押すだけの簡単な作業じゃなく、時間と手間をかけて作られた作品ですから、それだけでもよしあき様に拍手を贈りたい気持ちです。
by (2007-12-09 13:18) 

S・N・O　さん
そうなのです。私は、やはり、女神様の方が好きなのです。(笑)
なんとか、主役にまつりあげたかったのですが、脇役が勝って気ままとなってしまいました。写真と絵画は、かなり共通部分があります。辛口でも何でも、感じたをお伝えいただければ、nice よりも嬉しく思います。
温かなコメントをいただき、ありがとうございました。
by よしあき・ギャラリー (2007-12-09 17:08) 

Hide さん
　こんにちは　nice、ありがとうございました。
by よしあき・ギャラリー (2007-12-09 17:10) 

若輩の私が申し上げるのもどうかと考えたのですが、奈良の絵に関しては実際の風景を目にしているものとして、また普段絵をゆっくり楽しむ余裕のない、小間物の私には心のゆとりを得ることができ、大変癒されるものでした。

今日も奈良公園を歩きましたが、いつもは素通りする、絵を描いている人や、その人がキャンパスに描こうとしている風景を意識してみるようになりました。鈍感な私にとって大きな変化です。

批判をいただいたとの事。批判のとらえ方を拝見して大変勉強になりました。

文章で食べている人が、批判をする場合、それなりの準備や陣（論陣）を組んだりするといいます。ネット上で情報を発信するということは、他の媒体同様、パブリッシュするということなので、中にはプロの方との接触するリスクを負うということかもしれません。

批判をするということは、関心があるということであり、それなりの準備や実績がないとできないことでしょう。実は最近私も文責なしでの掲載に限界を感じていました。

プロの中には全魂かけて、筆を折る覚悟で勝負してくる方も中にはいるでしょう。厳しい世界ですので。

しかしながら、もっと大きな視野で見て、過去の巨匠たちが残した絵を見ても、誰かの影響を受けずに書かれた創作物があるのかどうか。

批判は謙虚に受け止めるべきものと存じます。絵について全くの素人ですが、その人の書いた絵の中に、何らかのメッセージなり、伝えたいヒントがあるのではないでしょうか。

自分とは相いれないものの中に、何かを見つけ出し、より高度な次元で結実させることを、哲学の世界では「止揚」といいますが、これは非常につらくしんどく、勇気のいる作業です。

私はまだまだ勉強の身ですので、まず自分の身の立て直しです。生意気で申し訳ございません。

自分まで否定されたような気持になってびっくりしましたが、良い参考とさせていただきます。乱筆失礼いたしました。
by Hide (2007-12-09 17:34) 

再訪問
残念です！！！！！
今の時点で私がコメントする知識能力がありません。
が、しかし予定していた絵画のプログアップを中止されるのは私にはわかりません。
よしあき・ギャラリーさんがそのように決断されたのですから、それが最善だと思いますし、それに勝るものはないと思います。
私のブログに対する信条は前にも申し上げたことがあると思いますが「たかがブログされどブログ」です。
私は絵画に対して全くの素人で失礼なコメントをしていると思いますが、毎日披露していただき多少なりとも私の知識を肥やし楽しみにしている読者のいることも申し添えておきます。
ご健闘を心から祈ります。
by enosan (2007-12-09 19:18) 

おはようございます。
訪問したら、ビックリです。
何度もよしあきさんの絵をみつめ、追記をよませていただきまして、芸術というものを改めて考えさせられました。
まだまだ勉強中、若輩者、しかも畑違いの私が、このようにコメントをして良いのかどうかは分かりませんが、勇気を出して書かせていただきますネ。
よしあきさん、命を削ってやってることですもの、きっと私には計り知れないほどとてもショックだったと思います。
その会員の方が個人的に感動を感じられなかったのであって、他の全ての人がそうではないですよね？
それは、単に「ひとつの意見」だということだと思います。だって、いつもこんなにたくさんのniceやコメントがあるのですから。それが客観的事実なのではないかしら。
それにしても、よしあきさんは、素晴らしいかたですね。
そのかたの意見も、まずは謙虚によきように受け入れていらっしゃる。なかなか出来ないことです。流石に懐が広いのですネ。
ただただ残念です。私、東京の秋シリーズ、楽しみにしていたのに・・・。
よしあきさん、どうぞ私のようなファンがいること、忘れないで下さいネ。
by つなみ (2007-12-10 00:25) 

Hide さん
おはようございます。激励、ありがとうございます。
おっしゃるとおり、メールを頂いた方の絵をよく拝見し、メッセージを捜すところから出発しようと思います。相手を受け入れないと先へは進めませんね。「止揚」、良い言葉を教えていただきました。少し時間は掛かるかと思いますが、立ち直ります。これからも、よろしくお願いします。
by よしあき・ギャラリー (2007-12-10 06:38) 

enosan
おはようございます。再訪問いただき、ありがとうございます。
このようなことは、いずれ、来るものとは、漠然と考えてはおりましたが、いざ、となると弱いものです。オタオタして、お見苦しいと思います。
息子から叱られました。他の多くのファン?に、背を向けてしまうのかと。
少し時間をいただきたい、立ち直ります。
これからも、よろしくお願い申し上げます。
by よしあき・ギャラリー (2007-12-10 06:45) 

つなみ　さん
何と、お礼を言ってよいのでしょうか。ありがとうございます。
こんなことでオタオタしている自分が情けなくなります。
頂いたお言葉をかみ締めて、必ず、立ち直ります。
これからも、よろしくお願いします。本当に、ありがとうございました。
by よしあき・ギャラリー (2007-12-10 06:49) 

大変でしたね！傷つきますね　でも、負けずに頑張って早く立ち直って下さいね　さもないと私みたいに絵を止めることになってしまいますよ　まだまだこちらへ来て絵の鑑賞を楽しみにしている一人ですので・・・・
by トータン (2007-12-10 12:51)